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【書評】未来の年表 人口減少日本でこれから起きること/河合雅司

人口将来推計を用いた未来経済の予測方法がある。
ある問題に対して何の対策も行わなかった場合、
もしくは対策を実施したが効果が得られなかった場合、
この方法でほぼ確実に起こりうることを予測できるわけだ。

戦争や天災などの有事が発生した場合を除いて、
この推計が大きく外れることはないという。
つまり、マユツバなトンデモ未来予測などとは違い、
その予測から得られる結果にはある程度信頼がおけるのだ。

その点を抑えた上で本書を読み進めると、
日本には暗い未来しかないという現実が嫌というほど分かる。
しかし、今後も日本で生き続けようと考えているのであれば、
この現実から目を背けて生きることはできない。

なので、日本で今後起こりうる大きな事柄を把握しておくためにも、
是非目を通しておきたい一冊である。

今後の日本がどうなっていくのだろうと不安を抱えている人や、
新しいビジネスを展開していきたいと考えている人、
特に若い人は絶対に読んでおくべきである。
なぜなら、不安というのは漠然としているから発生するわけで、
「具体的にこうなります」と言われれば単なる問題や課題に変わるからだ。

また新しいビジネスを探る上でも本書は有用である。
世の中にある商品・サービスはすべて、
何らかの問題や課題を解決してくれるから存在している。
その意味で、現在から今後日本が確実に直面する問題を先取りして
サービスを提供できる者だけがビジネスを成功に導くことができるとも言える。

高齢者が今から20~30年後の日本を考えることにあまり意味はない。
しかし今10~20代の若い人にとっては、
うっすらとでも考えておかなければ損をするとも言える。
自分は何が好きで、何をやりたくて、何をやりたくないか。
これらは自分で探っていくこととして、
それとは別に日本で生きることを選択するのであれば、
今後日本がどのような社会になっていくかを知っておくべきだろう。